社会人であれば誰でも「別の仕事は楽でいいなあ」と考えていますよね。ネットワークエンジニアにとって、隣の青く見える芝は社内SE・情報システム部でしょうね。社内SEとはどのような仕事なのか、 どんなタイプが向いているのか、について書いています。
その選択は、あなたにとって正しいのか?
- 社内SE・情報システム部に憧れるネットワークエンジニア
- 社内管理・情報システム部の仕事内容
- 社内のIT管理部門を経営者はどうみているのか?
- 社内SE・情報システム部は最後のオアシスなのか?
- 実際の情報システム部
- 社内SEのメリット
- 社内SEのデメリット
- どのような企業を選ぶべきなのか
- 企業の選択基準について
- 社内SE・情報システム部で働くという選択・まとめ
社内SE・情報システム部に憧れるネットワークエンジニア
ネットワークを含むインフラの設計構築は、アレですよ、常に新規案件に取り組むマンションディベロッパーのようなものです。仕事が取れなければ死があるのみの殺伐とした厳しい世界です。
木枯らし、吹いてますか?
常に最前線、納期に追われる日々。そのような案件が続くとストレスで金属疲労のように少しずつメンタルが駄目になっていく。1日を無事にやし過ごすだけで、エンジニアとしての目標が失われていく。
そんなどん底気分で、プロジェクトマネージャーを眺めてみると、出世して高給取りのくせに、不幸にしか見えない。なぜ、顔の筋肉が痙攣してしまうのか?
そして将来をフッと考えた時に、このままプロジェクトマネージャを目指しても自分自身が救われないように感じます。「そうだ。社内管理でまったりと仕事をしよう」と、社内管理のこともよく知らないのに結論をだしてしまいます。
嗚呼、それは魔の社内SE・情報システム部なのです。疲れ果てたエンジニアの最後の砦。それが社内のIT管理業務です。
果たして、それは正しい選択なのでしょうか?
社内管理・情報システム部の仕事内容
それなりの規模の企業にはIT部門が存在しています。現在では、工場・商社・運送など、ほぼ全ての業界で、ITが必要です。ITを業務から切り離すことはできません。
社内IT管理を分かりやすく説明すると「なんでも屋さん」です。ITに関するすべての業務をこなしています。例外的に、専門性の高い仕事は外部に依頼することもあります。その場合は、スケジュール調整が業務です。
分からないことや出来ないことがあれば外注すればいいと楽観視しないで下さい。すべての業務を社外に発注するのであれば、情報システム部は不要です。ITに関わるすべてのことに対応するのは不可能なことかもしれませんが、そのような気概が必要です。
フットワークの軽い社内SEは人気者になれます。
社内のIT管理部門を経営者はどうみているのか?
経営者にもITについて理解のある方とそうでない方がいらっしゃいますが、一般的にお金の落ちない部署の大遇は期待できません。ITへの意識が低い経営者からみた社内SEはコストでしかありません。
自社の情報システム部の尻を叩き、エンジニアに次々と業務を効率化させた後、情報システム部のリストラを決行するなど不埒な世界が待ち構えていることもあります。
社内SE・情報システム部は最後のオアシスなのか?
ネットワークエンジニアから社内管理を目指す方の頭の中は以下のような感じでしょうか。
- 社外のモンスタークレーマーの対応をする必要がない。
- 社外で仕事をするのではなく、自社で腰を据えて仕事ができる。半年ごとに勤務先が変わることはウンザリだ。
- 定時に帰宅できるかもしれない。
- 素敵な女性と知り合えるかもしれない。
実際の情報システム部
当然のことながら社内SEとして働いている方は不満を持っています。社内SEはオワシスではありません。
- 社内にもモンスタークレーマーはいる。
- 社内での地位が低い。
- 定時に帰れることはまれ。
- 常にコストの削減を迫られる。
- 給与が劇的にアップすることがない。
社内SEのメリット
ネットワークエンジニアから社内管理を目指すメリットもあります。一部重複している箇所もありますがメリットをまとめてみました。
- いつもメンバーが変わることはなく、同じスタッフと長く仕事をすることができる。
- 夜勤がない。開発や設計構築業務より残業が少ない。
- 社内のインフラ(環境)を覚えてしまうとルーチン化するので教育コストが掛からない。
- まわりの部署から感謝される。
社内SEの場合、ITのことをなにも分かっていない人【社内のスタッフ】がお客さんです。純粋に自分の仕事に対して「ありがとう」と言ってくれる人がいると、やる気に繋がりますよね。SI企業の場合は、できて当然の世界なのでミスして叱られることはあっても感謝される機会はあまりありません。
もちろんSI企業でもエンジニアから出世して、顧客とダイレクトでやり取りするプロジェクトマネージャーのような立場になると話は違ってきます。
社内SEのデメリット
一般的に社内SEは新しい技術にふれる機会が少なくなるので、エンジニアとしてスキルアップは難しくなります。深い専門分野を持ったエンジニアよりも幅広い知識が必要になるので専門分野が喪失してしまう可能性もあります。
しかし、社内SEの業務範囲は企業ごとに異なるのであくまでも一般論です。非常に高度な業務をしている企業もありますが、一般的な社内SEのデメリットを箇条書きにしてみます。
- 給与が安い
- 管理業務は、外部からお金を稼いでくる部署ではないのでリストラ対象になりやすい。
- 同じ職場で働いているのでスキルが上がらない。
- 非常に高度な業務をしている社内SEもいる
どのような企業を選ぶべきなのか
SI企業で仕事をするのであれば、スキルを向上させて転職→給与アップを目指すのに対して、社内管理は腰を据えてずっと仕事ができる企業を探しましょう。夢の安定です。場合によっては蜃気楼かもしれません。
企業の選択基準について
私が社内管理の仕事をするのであれば、まず、以下の3点とプラス1を確認します。2つにあてはまるのであれば長く仕事ができると思います。プラス1とは「パソコンサポートのような業務ではなく、専門分野を喪失しないレベルの業務内容」です。
- ITへの依存度が高い企業で、経営状況が安定している。
- 社員の平均年齢が高いこと。
- 労働組合があること。→リストラされにくいため
社内SE・情報システム部で働くという選択・まとめ
転職して給与を200万アップさせてやるとかではなく、どちらかと言えばディフェンシブな転職活動です。まったく悪いことではありません。どうしようもないSI企業が多いのも事実。なにを良しとするのかは個人の問題です。
もしあなたの目標がインフラの設計構築ならスキルアップに選ぶ仕事ではありませんが、SI企業で遊牧民のように働き、疲れ果ててしまったのであれば、腰を据えて社内のITに打ち込むのも悪くないでしょう。
私は、その選択もありだと思います。モチベーションが保てないまま仕事を継続しても、企業もあなたも幸せになれないはずです。「ありがとう」と言われる仕事がしたいなら社内SEはピッタリです。社内のいろいろな問題を解決していく頼もしいエンジニアになって下さい。
社内SEの求人はどこにあるのか
企業は社内のIT事情を公にしたくないので、社内SEの求人は、IT専門の人材紹介会社やITに力を入れている人材紹介会社が非公開で募集していることが多いです。
SI企業は、社外のプロジェクトで仕事をすることが一般的なので、当たりハズレは企業ごとにあります。しかし、社内SEは入社する企業の体質や社風で天国にもなるし地獄にもなります。企業の体質や労働環境は判断するために、人材紹介会社を利用しましょう。
経験者におすすめの人材紹介会社
未経験の方におすすめの人材紹介会社
自分を売り出すのであれば、プロの目からあなた自身を査定してもらう必要があります。狙える企業はどこなのか? 狙える給与レンジはどれぐらい? 客観的に判断してもらうことで自分の立ち位置がみえてきます。